スノーメイト名張「おブログ」

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スノーメイトなばり おブログ

Web滑走(その2)

Web滑走(その2)

 2012年7月2日

古い記事ですが、中高年向けに書かれたこんな記事を見つけました。

かなり長く重い文章なので、掲載すべきかどうか迷いましたが・・(汗)
あえて、どなたの記事か書かないでおきます。(転載の許可は、後日いただいておきます。)

時間があれば、読んでみてください。
(要約すると、「スキーは非常に健康に良い!」ということです。)
たぶん昨年に書かれた記事で、今年当初に掲載されたもののようです。

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中高年の方々へ「スキーへの回帰」の勧め

2012.01.06

今年は日本にスキーが伝来して100年になります。
20年前日本には1400万人と云われるスキーヤーがスキーを楽しんでいたのですが、 今は400万人と三分の一以下に減りスキー場のリフト待ちも混雑もあまり無く、 スキー場を自由に滑れるようになったのは嬉しいのですが、それだけスキーに親しむ人が少なくなったことは寂しい限りであります。

スキーという道具を世界に知らしめたのは1888年にノルウェー人のフリチョフ・ナンセン氏が氷原大陸のグリーンランドを横断したことのニュースから始まり、その探検成功の道具がスキーであったということでヨーロッパ・アルプスに伝わりそれが歩く道具から山々を自在に滑り降りる道具として発達しスキー技術、指導が発展してきたのがこの100年であります。
彼は次のような言葉を遺しています「あらゆるスポーツの中で、その王者に値するスポーツは、スキーをおいて他にはない。スキーほど筋肉を鍛え、身体をしなやかに、しかも弾力的にし巧緻性を養い注意力を高め、心と身体を爽快にするスポーツはほかにない。(中略)...多くの人が予感しているよりも、いっそう深い意義を持っているのである。」。この言葉は私自身自らスキー教師として普段から本当にそう思い感じていることなのですが、
彼の表現のすばらしさ的確さに心からナンセンの偉大さを感じます。(心身に染み渡るほど素敵な表現です。)

日本では札幌オリンピックが開催された1970年代からスキーがブームになり80年代の “私をスキーに連れてって”のスキー映画はユーミンの歌声に乗って一世を風靡し当時の人々をスキーの虜にしました。その後のバブル崩壊に伴いスキー熱は冷め、多くの若者は携帯電話、コンピューターゲーム等での身近に楽しみを見出すことになりました。
しかしここに来て少しずつ中高年や子供連れスキーヤーを見かけるようになりました。平日はほとんどが中高年のスキーヤーと云っても過言ではないかも知れません。
カービングスキーやビンディング等用具の開発で安全性も高まり安心してスキーが出来る環境になってきているのも事実です。それでも今更遠く寒い所へ出掛けていってスキーをするのも億劫だと思っている心隠れスキーヤーも多いと思います。しかしプロスキーヤーの三浦雄一郎さんの75歳でのエベレスト登頂はそうした人たちに少なからず感動と希望そして活力を与えたと思います。

今年の7月F・ナンセン氏の言葉と三浦雄一郎さんや中高年スキーヤーのパーフォーマンスを裏付ける心強い研究結果が発表されました。
オーストリア・ザルツブルグ大学のエーリヒ・ミューラー教授らの研究グループから“中高年スキーヤーの研究”と称した検証が“Snadinavian Journal of Medicine & Science in Sports”という権威ある科学誌の特集号として、90ページに渡る計11本の論文として掲載されました。これらの研究は70歳前後の一般スキーヤー27名を対象として、 スキー教師と共にGPSを付け、1シーズンに渡り定期的に28日間、1日平均滑走距離40km標高差4885mを滑り、運動生理学的検証はもちろんスキーヤーの精神的状態も含め、医科学的に様々な観点から調査したものです。
勿論中高年の方々にはスポーツをしないよりは行なった方が良いに決まっている訳ですが、この文献にはスキーをすることにかけて躊躇している方々にとても心強い検証結果が出ています。
身体的には、有酸素能力(VO2max)が高まり、持久力、筋持久力やパワー、バランス能力が高まったことは勿論ですが、筋肉や腱の形態の変化、また、筋組成も数値的に向上が認められているとのことです。

また、脊髄反射能力が高まり結果的に若者における筋力トレーニングと同等の効果が得られたとのことです。そして血圧、血中脂質、心拍数は日常の数値とあまり変化はなくスキーが安全であるだけでなく、 糖尿病予防の観点からも推奨されるスポーツであることが報告されています。
さらに中高年スキーヤーにとって心強いのは、スキーをすることで脳卒中や心筋梗塞等の心臓血管系の危険因子(CVRF)の発生リスクに減少が見られているというデータではないでしょうか。そして精神面では(精神的に)穏やかになり心が晴れるという調査結果も報告されている。モティベーションの向上やコミュニケーションを取る明るさを取り戻し、人生へのポジティブファクターの思いが出てくることも述べられています。

スキーをすることで程よい筋肉の緊張弛緩を生み、適度な身体的な負荷で身体能力を高められるのですが、更に加えてスキーは滑ることから雪面からの圧感覚をコントロールしてリズム感を引き出して感性を磨いてくれます。滑走するスピードから変化するゲレンデの先を読み対応していくアンティペーション(予知能力)を養ってくれます。このことが脳の活性化につながるのです。
スキーは楽しみながら身体と脳を刺激してくれる最適なスポーツなのです。
自然と一体になる感動とともに 心も体も若々しく磨いてくれるスキーのすばらしさにもう一度目を向けて、この100年を境に今一度雪山に想いを馳せ出掛けてみませんか。

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